中くらいの玉ねぎの下で

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電子レンジ巧者のわたしは、いろいろな食べ物をレンチンしてみる。そして失敗を重ねながら、自分なりの調理方法を編み出してきた。

 

今日は久しぶりに軽い爆発音を聞いた。ポンッ!という音とともにレンジのドアに何かがぶつかった。といっても、大した硬さではないことはわかっているので、慌てることはない。

今回爆発したのは、玉ねぎ。

「玉ねぎを丸ごとレンジでチンして、オリーブオイルつけて食べたらおいしいよ」

栄養士の助言により、そのくらいの料理ならばわたしにも可能と判断し、スーパーで玉ねぎを購入。そしてそのままレンジへ放り込むと、適当に3分くらい加熱してみた。

すると1分ほど経過した時点で、小爆発が起きた。ーーなるほど、玉ねぎというのは丸ごと加熱すると爆発するのだな。

 

野菜は丸ごとレンチンするのがURABE流。といっても好きな食べ物しか調理しないので、必然的に種類は限られてくる。

たとえばトウモロコシ。これはもうこのまま3~4分加熱すれば十分。新鮮なトウモロコシならば生でもイケるため、必要以上にレンジに閉じ込めないでもらいたい。そしてしばらく放置=蒸らしたのちに皮をむいてかぶりつく。

 

あとはサツマイモ。サツマイモは皮が薄いので水分が飛んでしまう。よって、キッチンペーパーで包み水でビショビショに濡らしてから、ビニール袋へ入れてレンジへイン。

ここでちょっとしたコツがある。最初の2分は高ワット、残り10分は低ワットで加熱することで、ほっくほくのサツマイモに育て上げることができるのだ。ずっと低ワットでも構わないが、時短のために最初だけ高ワットを使うのがURABE流。

 

このように素材を丸ごと、手を加えることなくレンジへインする調理方法のため、野菜が爆発するのは仕方ない。

「切れ目を入れるとか、フォークで刺して空気の抜け穴を作るとかすればいい」

そんな手間暇かけたらURABE流ではない。そんな工夫ができるなら、そもそも普通に料理をするだろう。それができないからこそ今があるわけで、爆発覚悟で野菜を加熱するのだ。

 

この爆発にはメリットもある。各々に問うが、レンジ内部の掃除をいつ行ったか覚えているだろうか?ほとんどの人が記憶にないくらい、レンジ庫内の清掃をしていないはず。

だが内部で爆発が起きれば、すぐさまキレイにしなければならないわけで、これはある意味一石二鳥といえる。

 

なぜレンジ庫内の掃除をマメに行わないかというと、さほど汚れないからだ。ーーまだ大丈夫、まだキレイ。この繰り返しで数か月が経過する。

ところが一発でも爆発が起きればしめたもの。その瞬間、強制的に清掃タスクが発生。まだ大丈夫ではないし、まだキレイでもない。大至急キレイにしなければならない状況を突き付けられるわけで、そこに選択の余地はナイ。

 

こうして、調理もできるし掃除もできるという、めんどくさがりにはもってこいの結果となるのだ。

 

 

3分加熱した玉ねぎはしんなり、いやぐったりしており、外皮を剥ぐと根元の芯までボコッと抜けた。

(おお、包丁いらず!)

開いた穴からオリーブオイルを流し込み、熱さに耐えながら素手で玉ねぎを割る。すんなりと真っ二つになる玉ねぎ。

 

加熱した玉ねぎとオリーブオイルなど、驚くほど美味い料理とはいえない。だが、熱々の玉ねぎを指でつまんでほおばると、なんとも言えない「キャンプ感」が生まれる。

「屋外で食べるおにぎりがやたら美味い」のと同じ原理。箸やフォークで細かく切り刻んで食べるより、素材を丸ごと手で掴んで口へ放り込むほうが何倍も食べ応えを感じる。

 

そう、「生きるための食事」という臨場感があふれるからだ。

 

というわけで、今後もこのスタイルを貫くであろうわたし。料理をしないくせに定期的にレンジ庫内を清掃している、お掃除上手なお料理嫌いであると自負している。

 

 

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