フルーチェ(イチゴ)の最高傑作誕生までの、遠く険しい道のり

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突然だが、私はフルーチェが好きだ。

当然ながら全種類制覇した。

 

フルーチェと言えば、

「牛乳とまぜるだけ」

という親しみやすいキャッチフレーズで、多くの子どもに愛されてきた、おやつの定番だ。

 

 

数あるフルーチェのなかでも、不動のトップはイチゴ

これは回りまわって、ではなく、最初からイチゴがベストだった。

 

 

そもそも私はフルーツ好きだ。

なかでもイチゴは好きなほうである。

しかし、フルーツで好きなものは?と聞かれれば、

 

1位・・・桃(白桃、ネクタリンどれでも)

2位・・・ブドウ(紫も緑も)

3位・・・メロン(果肉がオレンジ色)

4位・・・マンゴー

5位・・・メロン(果肉が緑色)

6位・・・イチゴ

7位・・・バナナ

8位・・・梨

9位・・・その他すべてのフルーツ

 

このようなランキングとなる。

つまり、ランカーとはいえ、上位ランカーではないイチゴ。

そしてフルーチェには、これらほぼすべての味が用意されている。

 

「え?バナナなんてあったっけ?」

(フフフ…)

 

ドーーーン

 

あるんですよ、業務用(1kg)だけど。

これ1袋で、20人分のフルーチェが作れるのだ。

(ちなみに私は、業務用も一人で完食する)

 

なぜフルーチェのなかでもイチゴがベストかというと、イチゴがいちばん固まるから。

他はどれもサラサラしがちで、私が求める歯ごたえ、のどごし、舌ざわりが得られない。

その点、イチゴがもっとも固まるので優秀といえる。

 

そんなわけで、フルーツの好みとフルーチェの好みが若干異なる私の、フルーチェ愛を披露しよう。

 

 

私はモチオコワが好きだ

つまり歯ごたえというか、噛み応えのあるものが好きだ。

そうなるとフルーチェも当然、そのように作りたい。

 

通常、200g(4人分)のフルーチェに対し、牛乳200㎖を加えてかきまぜることで完成する。

しかし、もう少し弾力を求めたい私は、あえて牛乳の量を減らし、プルンプルンのフルーチェを目指した。

 

何度も微調整を試みた。

 

その結果、今では目分量で完璧な自分フルーチェを作り上げることができるようになった。

(牛乳量は120㎖くらいかな、測ったことないけど)

 

 

余談だが、雀荘でアルバイトをしていた経験から、ペヤングや一平ちゃん、UFOといった、インスタント焼きそばの「待ち時間」もタイマーなしでイケる。

さらに湯切りも独特の方法で、ザザッと一気に10人分、湯切ることができる。

そのため、10人分の焼きそばを一気に作り、一気に配ることができる。

 

感覚的にインスタント食品を完成させる能力を、雀荘のバイトで培われた。

 

 

さて、

フルーチェ愛が止まらない私は、そろそろ「フルーチェの最高傑作」を作り出そう、という想いに駆られた。

とくに、ベストオブフルーチェである「イチゴ」を使って、もう言葉にならないほどの最高のフルーチェを作ろう、と。

 

牛乳の量、混ぜ方、温度など、これ以上手を加える必要はないほど、研究しつくした。

となると、

こだわれるものは「牛乳」しかない。

 

 

最高の牛乳を手に入れるため、いくつものスーパーを回った。

最高の牛乳は、やはり最高のスーパーでなければ入手できない。

最終的に六本木にある、外国人&高所得者御用達の、オシャレスーパーマーケットまで足を運んだ。

 

――なんだこの種類の多さは!?

 

牛乳というものが、こんなにも種類があったのか、というほどのすごいラインナップだ。

 

しかし私は、うろたえなかった。

私の好みは一本化されている。

そう、のどごし(飲みごたえ)というか、舌ざわりというか、「牛乳に弾力性」を求めているだけだからだ。

 

――特濃4.5

 

文字情報から、かなり濃厚でトロっとしたイメージが浮かぶ。

 

(これにしようかな)

 

手を伸ばしかけたとき、視界にさらなる数字が見えた。

 

――超特濃5.0

 

・・・これは最高値だ。

「4」は他にもあるが、「5」はこれしかない。

すぐさまその5.0を鷲掴みし、レジへと向かった。

 

――いよいよ最高のフルーチェが完成する

 

 

帰宅するとすぐ、大きめのボウルにフルーチェ(イチゴ)を込み流し込み、買ってきた超特濃5.0を丁寧に注いだ。

超絶にトロトロした、理想的なフルーチェが脳裏に浮かぶ。

よだれが止まらない。

瞳孔が開く。

 

私ははやる気持ちを押さえ、ゆっくりとかき混ぜた。

 

大きく、大きく、かき混ぜた。

 

(・・・あれ?)

 

フルーチェは、サラサラしたままだ。

 

――私は焦った

 

(なぜ、固まらない?)

(分量もいつもどおりだ)

(何も、間違っていないはず)

(なのに、なぜ・・・)

 

――私は2分以上、無心にかき混ぜ続けた

 

しかし、目の前には、ピンク色のサラサラした「飲み物」があるだけ

 

――2分半が経過した頃、私は壁を蹴って泣き崩れた。

悔しくて悔しくて、涙が止まらなかった。

 

理想のフルーチェを追い求めてここまできたのに。

理想どころか、フルーチェは固まることなく、口まで運ぶことなく終わった。

目の前にあるイチゴ味のミルクを、ぶちまけたい気持ちでいっぱいだった。

(でも、食べ物?飲み物?だから、もったいないことはできない)

 

 

フルーチェは、「ペクチン」と「カルシウム」によって固まる。

 

フルーチェ1袋(200㎖)に対して、ベストな固まり方をするカルシウム量は227㎎とのこと(参考:ハウス食品株式会社/プルンと固まるヒミツ)

これが、一般的な牛乳に含まれるカルシウム量に相当するらしい。

 

そして私が購入した超特濃5.0は、牛乳ではなかった

じゃあ、なんだったのか。

 

乳飲料だったのだ。

 

なお、ハウス食品株式会社は、ちゃんとサイトで注意喚起している(下図参照)。

 

(・・・・・)

 

私はただただ、至高のフルーチェを食べたい一心で、六本木のオシャレスーパーまで行き、なかでも最もトロトロになりそうな牛乳(ぽいもの)を買い、大急ぎで帰宅しフルーチェの素と混ぜた。

しかし、普通のフルーチェにすら変化しないまま、飲み物のような、まさにイチゴ味の乳飲料ができてしまった。

 

**

 

それ以来、乳飲料にはナーバスになった。

「特濃」とか「濃厚」とかいう文字を見ると、殺意がわく。

 

そして、

「ミルク」

「酪農」

「まごころ」

「牧場」

「おいしい」

「まろやか」

といった、余計な修飾ワードが付いているものは、ほぼ「牛乳」ではないことを知った。

 

牛乳は「牛乳」という二文字を名乗ってもいい、唯一無二の存在なのだ。

 

その他の乳飲料は、牛乳の足元にひれ伏すことしかできない。

なぜなら、

「牛乳」というのは、「牛乳」だけに与えられたチャンピオンの称号だからだ。

 

 

フルーチェの最高傑作は、牛乳という、食品衛生法で定められた厳格な基準をクリアした選ばれし白い液体すなわち「チャンピオン」のみが作り上げることのできる、特別なデザートであることを、そのとき私は思い知った。

(泣)

 

 

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3件のコメント

それならば普通の牛乳に生クリームを加えたらコクのあるフルーチェができる。

生クリームにも動物性、植物性、動物性+植物性、豆乳などがあるのだがおススメはやはり動物性乳脂肪だ!

タカナシ純生クリーム47を使ってみよう。

美味しさを求めるのであれば、めんどくさいなんて言ってはいけない。
作る過程を楽しめる人だけが到達できる境地…それが至高のフルーチェ。

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