ドトール、高速道路限定商品に力を入れる。

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(とりあえずスタバで一休みするか・・・)

車にて東京から長野へと向かう途中、休憩場所としてスタバのあるサービスエリアを選ぼうと、わたしは上信越自動車道でスターバックスのある場所を検索した。

現在地は群馬県の甘楽(かんら)パーキングエリア辺りなので、この先にスタバがあればそこで小休止したい。さて、スタバはあるのか——。

 

上信越自動車道にスタバのイメージがないので、果たしてこの期待は裏切られる可能性も大きい。ところが、「上信越自動車道 スタバ」と入力した途端に、検索候補で「横川」と出たから驚きだ。つまり、横川サービスエリアにスタバがあるというわけだ。

ここから横川まではおよそ30キロ・・よし、とりあえず向かおう!

 

 

こうしてたどり着いた横川サービスエリア、なんと、敷地内へ侵入すると同時に「ドトール」の大きな看板が飛び込んで来た。

(嘘だろ!?スタバつぶれたのか・・・)

とはいえこの先にめぼしいサービスエリアはないため、ここで一息つくしかない。つぶれたものは仕方ない・・わたしは渋々、ドトールへと入って行った。

 

「いらっしゃいませ!」

明るい声で若い男性店員が声をかけてきた。なんとなくだが、群馬の片田舎に住んでいる感じがしない・・などと言っては失礼だが、その社交性は都会人のソレだった。

「んー、なににしようかな・・信州プレミアム牛肉サンドって、どのあたりがプレミアムなの?」

挨拶がてら、受け取り方によっては意地の悪い質問をしてみた。無論、意地悪をするつもりなど毛頭なく、ひねりの効いたわたし風コミュニケーションの一環である。すると若者は、予想外の面白い返事を投げ返してきた。

 

「えっとですね、これは全国でも2店舗でしか扱ってないんですよ」

 

なななんと!まさかの超レア商品だったのだ。しかしなぜこのような立派な代物が、高速道路のサービスエリア店舗などで売られているのだろうか。

ちなみに、もう一カ所はどこで売られているのか尋ねたところ「えー、どこだっけな。愛知かどこかだと思います」と答えてくれたが、なぜ愛知で信州牛のサンドを販売するのか?おそらくは彼の勘違いだろう。

 

「なんでサービスエリアなんかで、こんなすごいの売ってるの?」

素朴な疑問を投げかける。すると彼は、

「なんでですかね笑・・でも高速道路の店舗に力を入れてるんです」

と告げると、さらに驚きの商品説明をしてくれたのだ。

 

「このジャーマンドック、普通の店舗のものよりソーセージが長いんですよ。ほら、パンから飛び出てるんですよ!」

そういって、メニューに載っているジャーマンドックの画像を指さした。——ほ、ほんとだ!どう見ても長すぎるソーセージが、惜しげもなくパンから飛び出しているじゃあないか!!

なぜ通常よりもソーセージが長いのかは分からなかったが、もしかすると、運転しながら食べるとパンとソーセージの割合がうまくいかないことが多いので、そんなイライラを和らげるためにソーセージを長くしてくれたのかもしれない。そんな気遣いのできるドトール、最高にいい企業だ。

 

「あ、ちなみにこちらはここ限定ですよ」

そう言いながら示した先には、"ドトールシェイク長野県産川中島白桃"の看板があった。これも恐ろしく魅力的な限定メニューではあるが、長野県出身のわたしはひそかに疑問を抱いた。「なぜ群馬県にある横川サービスエリアで、長野県産のブランド牛と白桃の商品が店舗限定の目玉商品として扱われているのか」と——。

 

まぁ細かいことは気にせず、わたしは信州牛のサンドと白桃シェイクを注文した。そして会計の合間に店員にこうこぼした。

「じつはさ、横川サービスエリアにスタバがあるっていうから寄ったんだよね」

すると彼はこう教えてくれたのだ。

「あぁ、上りのほうですね!」

・・・なるほど、上りにスタバがあるのか。

 

 

群馬県の山中で出会った"長野県産の店舗限定商品"もさることながら、あの若い店員の小気味いい返しが痛快で、帰りも「ドトールコーヒー横川サービスエリア下り店」で一杯引っかけたい気分になった。

しかしなぜドトールは、サービスエリアの商品に力を入れているのだろうか。パンからはみ出るほど長いソーセージ・・とか、非常に面白く興味深い試みゆえに、もっと大々的に宣伝したほうがいいのではなかろうか。

 

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