奇病

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本日は、備忘録の意味も込めて私自身に何が起きているのかを考察してみたい。まずは昼間に友人からLINEが届いた件について。

「明日の土曜日は、どこかで仕事する予定ある?」

じつはこの時、私は昼寝をしていた。時刻は金曜日の午後12時半。半分寝ぼけながらも、仕事をするであろうカフェの場所を送る。

「そしたら、渡すものあるから持ってくよ」

というわけで夜、カフェについた私は友人へLINEを送った。

「ついたよ」

すると即座に返信が。

「まさか・・・今日・・・の話?明日・・・だぜ」

まさか!いくら寝ぼけていたとはいえ、日にちを間違えるようなミスなどありえない。なにか罠があるはずだ、と過去のLINEを見返すと、

「明日の土曜日は、どこかで仕事する予定ある?」

と書いてある。さらに友人からは、

「『明日』『土曜日』って、絶対に間違わないように書いたのに!!」

と追い打ちをかけるようにメッセージが送られてきた。たしかに、私はいったいどこで今日と明日を、そして金曜日と土曜日を間違えたのだろうか。

 

考えられるとしたら「昼寝」がポイントだろう。寝て起きたら朝、という感覚は誰しもが持っているもの。つまり私は、昼寝という睡眠から覚めたら翌日の朝、という錯覚を起こしたのではなかろうか。そのため、昼寝後の午後は翌日であり、昼寝後の夜に向かったカフェは翌日に向かったことになるわけだ。

 

これならば辻褄があう。こうして私は、翌日も同じカフェで仕事をすることとなったのだ。

 

 

前出の「勘違い」ではないが、遅刻したときに限って「不思議な習慣」が現れることも、自分自身の七不思議の一つである。

たとえばやたらと室内の汚れが目についたり、洗濯物の畳み方が気に入らなかったり、遅刻しているのだからさっさと家を出ればいいのに、なぜか小さなことに目が行ってしまい出発が遅れるのだ。

だがこれは「わかるわかる!」と同意を得られる傾向にあり、この世のほとんどの人が一度は経験したことのある現象なのかもしれない。

 

ところがこれに加えて、私にはもう一つ「変な癖」が現れるのだ。しかも急いでいる時に限って出現する謎の癖。たとえば着替えが必要な状況で、履いていたズボンを脱いだ時、靴下も一緒に脱げなければ「やり直し」をする癖がある。

もうすでに遅刻確定で、大急ぎで着替えを済ませなければならないはずなのに、ズボンを脱いだ瞬間に靴下が脱げていないことに気付くと、私は再びズボンへ足を通して腰まで引き上げジップを閉めるのだ。そしてもう一度、勢いよくズボンを下ろすと同時に、うまいこと靴下も引っ掛けて一気に2つの脱衣を試みる。

(うまくいった!)

これは快感である。だが油断はできない、もう片方の足があるからだ。慎重にもう片方のズボンに手をかけると、勢いよくズバッと下ろす。そして最後は自らのかかとをコントロールしながら、ズボンの裾に靴下を引っかけて剥ぎとるのだ。

(やった!!)

満面の笑みを浮かべながら床に転がるズボンをそっと拾うと、勢いよくバッサバッサと仰ぎだす。するとその勢いでスポンに引っかかっていた靴下が飛び出る。

(両方とも飛んでった!!)

ここまでが一つのストーリーとなっているため、途中で少しでも失敗した場合は、残念ながら最初からやり直すこととなる。

「そんなくだらないことしてないで、さっさと着替えろ!」

まぁまぁ落ち着け、そう声を荒げるな。私だって普段からこんな衣服の着脱を行っているわけではない。もちろん着替えなどほぼ無意識の動作ゆえ、こだわりがあるはずもない。

だがなぜか、遅刻しそうあるいは遅刻している時に限って、なぜかこの変な癖が出現するし、これに従わずにはいられないのだ。癖というよりむしろ、病気に近い。

 

遅刻するかしないかギリギリのところで滑り込めたら、私のなかでは「セーフ」。ところが、いつもこのジャッジが下る場面に限って、変な癖が現れることで遅刻が確定してしまうのだ。

 

――うぅむ。これはやっかいな病気である。

 

サムネイル by 希鳳

 

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