キウイアレルギーを疑う前に疑うべきこと

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舌がしびれている。

しびれている、というか痛覚が鈍くなっている。

もうこの状態で3日が過ぎた。

 

 

舌がしびれる原因となった食べ物は、豚キムチだ。

 

正確には、4日前にウーバーイーツで韓国料理を注文した。

キンパ(韓国の海苔巻き)と豚キムチと辛ラーメン。

 

まずは辛ラーメンを完食し、キンパを食べた時点でかなりの夜中だったため、明日の楽しみに豚キムチを冷蔵庫にしまった。

 

その、豚キムチを3日前の朝、食べた。

 

冷えていたせいもあり、豚肉は豚肉というより、段ボールのような歯ごたえ(舌触り)だった。

 

味は、

 

・・・

 

味は、ノーコメント。

 

とりあえず、豚肉を一口食べてからは、キムチのみを食べた。

そして、段ボール(豚肉)をよけながら、皿いっぱいのキムチを完食した。

 

そのくらいしか、思い当たる節はナイ。

 

あれから3日経つが、舌のしびれがとれない。

最初は、キムチの辛さでしびれてるのかな、と思っていたが、そういう類のしびれではなさそうだ。

 

しびれている、というか、歯で舌を噛んでも感じないというか。

 

このことを友人に話すと、

 

「それって何かのアレルギーじゃないの?」

 

 

食べ物のアレルギーといえば、キウイ事件を思い出す。

 

過去にキウイを一気に12個食べたことがある。

キウイはみずみずしいし、きれいな緑色だし、ビタミンCや食物繊維、カリウム、葉酸などが豊富だし、いいこと尽くしだと思った。

 

そこでキウイを半分にカットし、大きいスプーンですくって2口で食べた。

つまり、4口でキウイ1個を食べた。

 

4口はあっという間だ。

そう、あっという間に12個のキウイを完食してしまったのだ。

 

キウイで満腹になり、満足した私はベッドに横になった。

そしていつの間にか、寝た。

 

 

ーー悪夢で目が覚めた

 

体の内側から何かがこみ上げてくるこの感じ。

胃袋が破裂するのか?というほどの激しい膨満感。

水中なら浮きそうなくらい、パンパンに膨らんでいるかのような。

 

ーーこれは夢じゃない、現実だ

 

胃袋が内側から押されている。

「パスカルの原理」の説明で使用される図のように、内側から外側へ向かって、等しく圧力がかかっているかのような膨満感。

 

ーーい、胃袋が破裂するんじゃないか

 

極度の緊張と恐怖が私を襲った。

とりあえずトイレへ行き、出せる物は出してみたが効果は薄い。

このまま胃袋が膨らみ続けたら、破裂するだろう。

 

ーーそんな死に方はしたくない

 

私は必死に考えた。

 

チアシードは水分を含むことで10倍に膨らむ。

もし、キウイが何らかの変異で10倍に膨らんだとすると、つまり、12個のキウイが私の胃袋で10倍に膨らんだとすると、私はなんと120個のキウイを食べたことになるではないか。

 

考えただけで気を失いそうになった。

 

ーーまだ、死にたくない

 

私のなかで、雑草のような生命力に火が付いた。

 

(そうだ、生きよう)

 

そのためにも、この胃袋のキウイを小さくしなければならない。

 

私はその場でジャンプした。

 

ーージャンプすることで、重力を利用して大腸まで強引に押し込んでやる

 

この画期的なアイデアを思いつき、私はジャンプを続けた。

たまに、ジャンプした勢いでキウイが喉の方へ逆流してくることもあるが、ぐっとこらえて押し戻す。

 

苦痛と恐怖から鼻水と涙が垂れ流しだが、それでもジャンプを続けた。

 

かれこれ20分ほどジャンプを続けた。

それでもまだ、膨満感は襲ってくる。

 

ジャンプを失敗すると、上から(キウイが)出そうになる。

よって、その場で小刻みにダッシュすることに変えてみた。

 

ーーとにかく、重力とカロリー消費を促すことで、キウイ地獄から抜け出さなければ

 

私の人生で、ここまで必死に生きようと努力したことは、未だかつてない。

とにかく全身全霊で、生きるために「その場でダッシュ」を続けた。

 

ふくらはぎが攣りそうになり、太ももがパンプアップされたころ、膨満感が少しだけ和らいだ。

 

ーーた、たすかった!!!

 

相変わらず、鼻水と涙を垂れ流しながら、私は生き延びたことへの感謝と喜びを噛みしめた。

 

その後、ようやく座れるまでに快復した私は、携帯でそれとなく調べてみた。

 

「キウイ 苦しい」

 

すると、なんと

 

「キウイアレルギー」

 

という文字が飛び込んできた。

 

ーーアレルギーだったのか!!!!!

 

私は驚いた。

まさか自分がキウイアレルギーだったとは。

 

 

この話を友人にしたところ、これはどうもアレルギーではないそうだ。

単なる食べすぎだ、と。

 

「だって、一日の適正摂取量が1個か1個半なのに、12個とかありえないでしょ」

 

ーーた、たしかに!

 

ということは、これからも安心してキウイを食べられるということか。

 

キウイの件は安心だが、豚キムチによる舌のしびれはどうなのだろう。相変わらず痛覚が鈍いのだが。

 

豚肉アレルギーではないことを確かめるべく、温野菜(豚しゃぶ食べ放題の店)で豚肉を16皿食べた。

 

ーーうん、大丈夫だ。

 

 

Illustrated by 希鳳

 

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2件のコメント

ウラベを暗殺するのにノビチョクは必要ないキウイで事足りると思ったのだが………

ノビチョクってなんや笑
兄のキウイなら小ぶりで食べやすいんで、12個イケる!

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