(美味そう?・・あぁ、鮭のホイル焼き的な感じか)
足の親指にアルミホイルを巻いたわたしを見て、このような感想を述べた友人がいる。だがこのアルミホイル、予想以上に”いい感じ”なのだ。
なぜ足の指にアルミホイルを巻いているかというと、親指のツメが剥がれたからだ。しかも、二日連続でダメージを与えてしまったため、いつも以上に剥がれている様子。おまけに同部位を捻挫したことで、わたしの親指は瀕死状態といっても過言ではないくらい、残念な状態になっていた。
ちなみに、ツメが長かったわけではない。柔術をやっていて”ツメが長い”というのは、相手だけでなく自分自身が怪我をするリスクも高まるので、安全確保とマナーの観点からもツメは短く切り揃えておかなければならない。
しかしながら、わたしの踏みしめ力(?)が強すぎることで、足のツメたちはいつしか上を向くように生え始めた。そのため、いくら短く切っても相手と接触する角度や強さによっては、ツメが剥がれてしまう・・要するに、定期的にこうなる仕組みなのである。
そんなわけで、怪我といったら「3秒ルール」を適用させるべく、剥がれたツメをギュッと押さえつけると、テーピングでグルグル巻きにした。
この状態で厄介なこと・・しかも、真夏の今だからこそ厄介なのは「サンダルのソールに、テーピングの糊がくっ付くこと」だ。アレを取り除くのは至難の業で、表面がツルツルかつ平らな素材であればまだしも、細かい凹凸があったり足の形にカーブしていたりすると、洗おうが擦ろうが落としきるのは難しい。
とはいえ、剝がれたツメを強く押さえることで元に戻せるわたし——よく、「一度剥がれたツメは戻せない」と言われるが、本当にくっ付いてしまうから不思議。無論、その状態でツメが伸びても変色や浮いている感じもなく、普通のツメなのだ——にとって、テーピングで圧着することは是が非でもやらなければならない処置となる。その上で、サンダルのソールを糊のベタベタから守るには、テーピングを巻いた指にさらに何かを履かせる必要がある・・というわけで、アルミホイルを巻いているのである。
過去には、サランラップやペーパータオルで試したこともあるが、いずれも破れたりズレたりで、最後までソールを守りきることはできなかった。
だが、アルミホイルは違う。指の形にフィットする形状記憶の素材と、足の圧力にも屈しないタフさ(といっても、根元部分はボロボロになってしまうが)、そしてなにより”銀色に輝く存在感”が夏の今だからこそ映えるのだ。
(青い空、騒ぐ蝉、そしてビーチサンダルから覗く銀色のアルミホイル——悪くない組み合わせだ)
個人的な感想ではあるが、包帯やテーピングが巻かれた状態というのは、決して衛生的とはいえない。しかも長時間その状態が続くため、内部は汗で蒸れるし外部は汚れが付着するし、どう考えても清潔は保たれない。
そんな”ネガティブな印象”を抱かせる白い布やテープに対して、銀色のアルミホイルならば清潔・・とまでは言わないが、不潔な感じは与えないだろう。なんせ、料理で「〇〇のホイル焼き」や「△△のホイル包み」が存在するのだから、少なくとも食べ物に触れてもいいレベルであることは間違いない。
さらに、指の形をそのまま残せることで、何度でも簡単に装着することができる。おまけに、歩いていても抜けたりズレたりすることがないので、安心して闊歩できる・・という点が、特筆すべきアルミホイルの機能性だろう。
——このような事情と経緯から、しばらくの間は「アルミホイルを履く生活」が続くわけだが、テーピングのベタベタから守るにはこれ一択!といえる秀逸な方法の発見に関しては、ツメが剥がれてよかった・・と思わなくもないのである。
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