食欲の秋というわけで、果物が豊富に出揃うこの時期はわたしにとってもっとも幸せであり、もっとも過酷な季節といえる。
幸せな理由は、言うまでもなく「旬のフルーツを毎日食べられるから」だが、過酷な理由は・・そのフルーツが高額なため、我がお財布事情にダメージを与えるからである。
ここ最近、スーパーの果物売り場は華やかであり賑わっている。
王道のシャインマスカットとナガノパープルを筆頭に、今が食べごろの和梨、そしてついに顔を見せた柿やみかん、さらに、まだまだ引っ込む気はないカットスイカ、キウイ、プラムといった面々に加え、焼き芋までもがちょこんと登場——。
通年でスペースを確保されているバナナも加えれば、どこもかしこもカラフルに彩られており、食べる前から眼福にあずかることができる。
そして、本能に従順なわたしはそれら旬の果物に飛びついた。
(今だからこそ享受できる自然の恵みを満喫するべく、ケチケチせずに突き進もうじゃないか!!)
そう覚悟を決めて突き進んだ道ではあるが、わたしは今、インプラント治療開始という借金地獄に片足を突っ込んだところでもある。そう、67万1千円という耐えがたい数字が問答無用でのしかかってくるのだ。
さらに、別方向からも報復は続いた。それは何かというと・・体重増加という恐るべき代償である。
ちょうど一か月前、柔術の試合を控えていたことからもわたしの体重はベストな数字を記録していた。あれから数えて6キロ増——。今となっては、体育座りをすれば後ろへ転がってしまうほど、腹部の膨張が著しい体型となっていた。
「ていうか、ダイエットの件はどうなったの?」
フフフ・・何を隠そう、課金をしてまでダイエットアプリをインストールしたのだから、当然ながら体重と食事内容を毎日記録し続けている。
(そういえば、体重の変化ってどうなってるんだろう・・?)
ふと気になったわたしは、ダイエットを開始した今年の始めから現在までの推移をチェックしてみた。すると——なんと、見事な右肩上がりのグラフが登場したではないか。
しかも奇妙なことに、一日の摂取カロリーの上限値が勝手に上がっている——もちろん、わたしは一切いじっていない。最初から「運動せずに、食事だけで痩せるコース」を選んでいるのだから、その前提条件を変えるはずもないわけで。
にもかかわらず、一日の摂取可能カロリーが当初よりも300キロカロリーほど上がっているというのは、いったいどういうことなのだ——。
要するに、アプリのAIがこう考えたのだろう。
「こいつはもはや、カロリー設定を低くしたところで守る気など微塵もない。こちらが毎日気を使って、体重増加について触れずにいてやったというのに、そんなことも知らずに暴飲暴食を繰り返しやがって・・よし、勝手に数値を変えておこう。せめて、日々の摂取カロリーくらいは守ってもらわないと、私が上司に怒られるからな」
こうして、勝手に摂取カロリーの上限を変更し、素知らぬ顔でシレっと過ごしていたというわけか。
そのくせ、「おはようございます。ここ最近の脂質コントロールがばっちりですね!あなたの意識の高さがうかがえますね★」などと、猫をかぶってすり寄ってきていたのかと思うと、AIの野郎・・舐めた真似をしやがって——。
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本来ならば小躍りするべく食欲の秋。にもかかわらず、非情に厳しい懐具合と暴飲暴食による体重増加の二重苦に、板挟みとなる哀れなわたしなのであった。











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