「もしサイズが合えば、安く譲ってもらえないかと思って」
突然、後輩からのメッセージ。何のことかと思えば、購入の際にわたしが大失敗をしたブラジリアンショーツについての問い合わせだった。
彼女は魅力的な尻をしており、確かに一般的な女性からするとデカい部類に入る。だが、心を鬼にして一言だけ言わせてもらいたい。
「舐めるな」
と。
改めてこのデカパンを手に取ってみるが、もはや買い物で使うエコバッグにしか見えない。無論、物など入るはずもないが。両足部分のデカい穴が、エコバッグの手提げ部分にソックリ。確かにこれがエコバッグなら、持ちやすくていいかもしれない。
そして、引っ張り上げると胃袋まで覆うウエストのデカさときたら、100センチは優に超えている。物は試しに、一体どのくらいの大きさまで通過できるのか試してみた。
頭→OK
肩→OK
腹→OK
尻→OK
結果として、頭からつま先までまんべんなく通過することができた。どこの世界にこの「だるんだるんのデカパン」を好んで履く女がいるか。腹立たしい。
ちなみに今日も、トイレの度にデカパンを履き捨てている。だがトイレの回数が少ないわたしは、一日に多くても2枚しか処分できないのが難点。このペースだと、およそ一週間かかってデカパンは葬られることになる。
そんなブラジリアンショーツの現状と行く末を、後輩に伝える。
「もはやそれはパンツではないです」
だろ?だから言っただろ?
ついでに、このデカパンを履いて時間が経つとどうなるのかを教えてやった。まず、体温と体の動きにより布が馴染んで伸びる。そのため益々ゆるくなる。おかげでパンツがずり落ちるので引っ張り上げる。それをくり返すうちにさらに伸びる。その結果、Tバックのヒモ部分が前方まで伸び、フロント部分の三角形の布はへそまでずり上がってくる。
誤解を恐れずに言うならば、リアル金太郎だ。
ちなみに、パンツのウエスト部分がどこで固定されているのかというと、腹斜筋に引っかかって留まっている。
「それはやばいです」
後輩よ、最初の勢いはどこへいった?安く譲ってもらいたいんじゃないのか?
「これでいいならタダであげるよ」
どうせ捨てるだけ。だったら、欲しいと言う人にあげたほうが有効活用になる。ところが後輩、
「大丈夫です!!」
と、全力で拒否。
おいおい、なんだよ急に怖気づきやがって。
*
ちなみに彼女には伝えなかったが、半日履きつぶしたブラジリアンショーツ、最終的にはこうなる。両足を入れる穴がどこまで伸びるのか、パンツを履いたまま引っ張ってみた。素材もストレッチすることから、グングン伸びる。挙句の果てには腕を通し、両肩に掛けることができた。
――レ、レスリングのシングレット。
*
どうか、紳士淑女はパンツで遊ばないように。そしてオンラインショッピング、特に海外サイトで買い物をする際は、サイズチャートより商品レビューを参考にするように。
――これを書きながらもイライラが収まらない。全力で履き捨ててやる。
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