一杯のコーヒーの最高な飲み方

Pocket

 

「わたしの体には、コーヒーでできた血が流れているのよ!」と言いたいところだが、そこまでコーヒー尽くしでもないし、味の違いが分かるわけでもないので偉そうなことは言えない。

とはいえ、日に5~10杯程度のコーヒーを流し込んでいるのだから、どす黒いコーヒー色の血が流れていても不思議ではない、とも思う。

これが赤ワインならば、血液と置き換えてもイメージダウンにはならないが、さすがに真っ黒のコーヒーを血液に例えるとなると、鮮度の悪い静脈血しか浮かばないのでイマイチなのだ。

 

 

先日、友人からこんな質問をされた。

「いつも高価なスタバばっかで、安価なドトールとか行かないの?」

答えはもちろん「行くに決まっている」だ。たまたま近所にあるカフェがスタバだったり、たまたま出先で目につく看板がスタバだったりするだけで、率先してスタバを選んでいるわけではない。そのくらいスタバが、都内のいたるところに点在しているということだろう。

 

だがもちろんドトールにも入る。なんせドトールは、圧倒的にお値段がお得だからだ。たとえばSサイズのブレンドコーヒーならば250円で買えるし、Мサイズでも300円で済むのだから。

対するスタバは、ショートで350円、トールで390円となっており、ブレンドコーヒーを飲むのに勇気を振り絞る料金設定となっている。

 

しかし金額だけで決めてはいけない。なぜならドトールのSサイズは、わずか150ccしか入っていないからだ。Mサイズで180cc、Lサイズでも270ccという控え目なサイズ感。

ちなみにスタバは、ショート240cc(ホットの場合)、トール350ccということで、ドトールのLサイズとスタバのショートサイズが似たり寄ったりの量なのだ。

なお、ドトールのLサイズは350円なので、スタバのショートよりも30cc多くて金額は同じというリーズナブルさ。同じ350円で満足のいくドリップコーヒーを味わいたいならば、断然、ドトールへ行くことをお勧めする。

 

そしてもう一つ、貧乏人がコーヒー本来の味を満喫するためには「コツ」がある。なんせわたしは、その昔カフェでバリスタを務めていた経歴の持ち主。そのわたしが言うのだから間違いない。

(バイトだったくせに、偉そうなこというな!とは言わせない)

それは「絶対に紙カップで飲まない」ということだ。

 

レジで注文する際に、スタバやタリーズならばマグカップ、ドトールならばオリジナルカップを指定してコーヒーを注文することができる。無論、テイクアウトの場合は致し方ないが、店内でくつろぐならば絶対に、カップで注文しなければならない。これはもや「命令」である。

やはり紙カップだと、手触りも安っぽいうえに飲む際に紙の匂いがする。たったこれだけで、コーヒーの価値は半減するのだ。

ちなみに、プラスティックのリッド(フタ)をはめたまま飲むなど論外。むしろ「ふざけるな」と怒鳴りつけたいほど、コーヒーを冒涜する行為である。

 

コーヒーというのは、味覚だけでなく嗅覚でも味わう飲み物。その証拠に「コーヒーのアロマ」という言葉を聞いたことがあるだろう。これは、コーヒーを口に入れる前に、鼻から入ってくる「香り」を指す。

さらに、コーヒーを口に含んでから感じる香りを「フレーバー」と呼び、飲む前と口に含んだ時とで別々の香りを楽しむことができるのが、コーヒーの醍醐味なのだ。

 

それなのに、誰もがこぞって紙カップにプラスティックのリッドをかぶせて、おしゃべりやスマホに夢中になりながらコーヒーを飲むからバカらしい。せめてリッドを外して飲むべきところを、小さな飲み口からチョロチョロとコーヒーを飲んで、美味いもまずいもあったもんじゃない。

そのくせ、

「スタバは美味しいよね、ドトールはまずい」

などと、よくぞ言えたもんだ。バカ舌バカ鼻を露呈しているようなもんで、恥ずかしいったらありゃしない。

 

とにかくコーヒーは、陶器やガラスのカップで飲んでもらいたい。己の鼻でしっかりと香りを捉えながら、口の中でもコーヒーを転がしつつ、最後の喉ごしまで感じ取ってもらいたいのだ。

たとえ250円の安いコーヒーであっても、飲み方次第では1,000円を超える美味さに変えることができる。であれば、そういう飲み方をした方が断然お得である。

 

それともう一つ、カフェラテを注文した際には「ミルクの表面の状態」を観察してもらいたい。なぜなら、カフェラテのミルクを見れば、バリスタの腕の良し悪しが一目瞭然だからだ。

上手なバリスタはきめが細かく滑らかなミルクを作る。逆に下手くそが作ると、泡ばかりでシャバシャバだったり、空気がほとんど入っていない重たいミルクだったりするので、そんなカフェラテは作り直してもらったほうがいい。

 

 

たかがコーヒー、されどコーヒー。一杯のコーヒーで最高の時間を過ごしてもらいたい。

 

Pocket