「書く仕事(主にエロ系)」に付随する隔靴掻痒の感

Pocket

 

私は性格が悪い。

少なくとも決して良くはない。

だから、いちいち気に入らないことが多い。

 

例えば「ライター」という仕事の名称について、これが気に入らない。

 

そして、ライターが原稿を書くことを「ライティング」と言う。

これもまったく気に入らない。

 

一応、原稿を依頼され、指定された文字数で指定された内容で指定された条件で書いて、お金をもらっているのだから「仕事」と言ってもいいだろう。

 

しかし、

「私、ライターなんです」

と自己紹介する(される)ことに、ものすごく違和感というか嫌悪感がある。

 

「ライター」と言えばそれだけで「えー、すごーい」と言われることを約束されたかのような、ふざけた魔法のワードとしか思えない。

 

「どんな記事が書けますか?」

 

この質問に、的確かつ定量的に答えられる人は「ライター」と自称しても悪くはないが。

 

 

癖の強い編集長(薄毛)は、無理難題を出してくる。

 

少し前の話だが、

 

「下世話な話、そうだな、下ネタ含んだ感じでなんか書いて」

 

と言われたことがある。

 

――私は真面目な人間だ。

下ネタなんか書けるわけがない。

 

しかも編集長(偏屈)のこだわりは強いので、表面的なエロを書いたとしたら、鼻で笑って「ありがとう」と言われるだろう。

そしてこの「ありがとう」は、「さよなら」を意味するという恐怖。

 

だからこそ、こういう無理難題を出さないでもらいたい、と常々祈っていたのだが、その時は来てしまった。

 

「書けません」

 

とは言えない。

なぜなら、文字は書ける、エロいことも分かる、そしたら書けないはずないよね?となるからだ。

 

私は葛藤の末、いくつかのエロ記事を書いた。

さすがに編集長(頑固)も、最初の数本に対しては、「楽しませてもらったよ」とか「面白いね」とか、当たり障りのないコメントをしてきた。

 

しかし5~6本書いた頃、

 

「少し刺激が足りない印象。

安全運転じゃなくて、東名を140キロくらいで走る感覚がほしい。

見つかったら赤キップだけど、まぁ珍しくもないスピードオーバー、という感じで書いて。

いますぐ

 

 

――これは相当難しい

 

そんなスピード感、車載メーター見ながらでないと、免許取り立てのこちらからしたら測りようがない。

 

それでも書かなければならない。

 

しかも、今すぐ

 

 

――こうして私はエロ記事も書けるようになった

 

 

そんなある日、しばらくエロ記事のオーダーがないな、と思っていた矢先、

 

「エロいの、なんか書いて」

 

――来た来た。

よし、編集長(オッサン)の度肝を抜く、いや、彼が求める原稿を出してやろう。

お、こいつもようやくわかってきたか、と言わせてやろう。

何より、求めるレベルの記事が書けるようになったという、手下の「成長ぶり」を見せたかった。

 

そして私は書いた。

 

リアリティ重視の私は、

「絶対にリアルに書くこと」

を大原則としている。

これができないなら、私は書かないと決めている。

 

 

――できた。

内容も面白いし情報量も豊富、臨場感あふれるエロさだし、完璧に編集長(オタク気質)のお眼鏡にかなう作品だ。

 

私は得意満面に原稿を送った。

 

 

・・・途中省略するが、結果的にこの原稿はボツになった。

私にとって初の「ボツ」だった。

 

理由は「過激すぎるから」。

たしかに掲載するメディアからしたら、下手に過激なエロ記事を載せたら、アダルト認定される恐れがある。

 

メディアが求める温度感というか期待値というか、そういうものを汲んだうえで「適度に熱量のあるエロ」を書かなければいけなかった。

私のミスであり、これは東名200キロで一発免取コースだったというわけだ。

 

 

世に出回っている「そこそこエロい記事」のレベルを調査するために、ネットサーフィンをした。

タイトルで惹かれるコラムは、やはり読みたい気持ちをくすぐる。

しかし、その期待とは裏腹に全然エロくない内容だったりすると、幻滅度がハンパない。

あと、書き手はものすごくエロいことを書いているつもりだろうが、読んでいて全然エロくない記事、というのも幻滅だ。

 

そして私がもっとも忌み嫌うエロ記事は、

 

「これ絶対ウソ」

 

という内容のもの。

もう明らかに嘘だと分かるレベルの。

 

私はとくに、リアルと虚偽の狭間というか、そのギャップについてネチネチと突っ込むタイプなので、これを書いた本人がいたら、倒れるまで追及し論破する自信がある。

 

あと、男が女のフリして書いてる文章

その逆も然りだが、これも「ナイわー」と興醒めする。

 

こういう「違和感満載のエロ記事」を読むと、内容以前に幻滅しすぎてお話にならない。

読者を興奮させなければならないのが、逆に萎えさせてしまう。

(こんなんでよく「ライターです」とか自称するよなぁ)

 

しかし、読み進めると「惜しい!」というエロ記事もある。

多分、嘘というか架空の設定なんだけど、なりきれてないからボロが出ている、という感じの惜しさ。

もう少しなりきって書けばエロさが増したのに!と思いながらも最後まで読めるエロい内容。

 

 

ところで、エロ記事を書く当事者にすれば、連載形式で締め切りに追われたりすると、

「毎回ドエロ話なんて書けるわけないだろ!」

という主張は理解できる。

 

 

だったら、だ。

 

だったら、

プロぶるなよ、

 

と言いたい。

 

職業ライターと名乗るなら、どれだけ大量に頻繁に原稿を依頼されたとしても、質を下げずに書ききれよ、と。

 

誰だって、ある程度の時間をかけて取材し、頭を整理して状況確保したうえで書けば、それなりのエロ記事は書ける。

しかし、プロとして書くならば質の担保は当然のこと、何回でも完璧なエロを提供すべきだ。

 

 

とまぁエロ記事をハシゴしながら、見ず知らずの「ライター」と名乗る人たちをバッシングする私。

 

そんな私はライターという職業のことを、

「書く仕事」

と、なんとなく曖昧に表現する。

もちろん、ライターと名乗るにふさわしい実力、経験、実績があるわけではないから、当然の謙虚さとも言えるが。

 

 

だからこそ「士業」という職業を舐めないでもらいたい

「士業」を名乗るからには、それなりの期待と責任が発生する。

経験豊富なベテラン素人とは、責任レベルがまるで違う

 

そして信用失墜は士業にとって、もっとも恐れるべき行為となる。

クライアントの期待に応えるべく、業務に邁進すること。

また、ミスを犯した(誤解や齟齬を含む)場合の責任の取り方も、士業者は覚悟の上で生きている。

(私は賠償責任保険加入済み、かつ、請求実績あり)

 

私もいつか胸を張って、

「職業はエロライターです!」

と言えるように、

 

1、エロなりに品位の保持

2、エロい知識の涵養

3、エロに対する信頼の高揚

4、編集長(曲者)との相互の信義

5、エロに関する守秘の義務

 

これらの倫理綱領を意識しながら「書く仕事」に邁進する所存だ。

 

Pocket

2件のコメント

エロは正義!

「個体の維持と種の保存」
これが人間を含む全ての生物の基本原則である以上
【エロは正義】なのである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です