満を持して(?)強力わかもと

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もはやネタ化している「わたしのダイエット」について——。

念のため伝えておくが、当の本人は「真剣そのもの」であることを理解してもらいたい。文字にするとなぜかふざけた感じになるのだが、こちらはいたって真面目に取り組んでいるし、「わたしの下腹部が飛び出ているのは、肥大した腫瘍あるいは分厚い内臓脂肪によるものではないか」と、未だに疑ってやまないわけで。

 

だが、大病を患った経験のある友人は「もしも、本当に悪性腫瘍が大きくなっているのならば、出血とか痛みとか他にも症状が現れるはずだし、それよりなにより・・こんな風に元気でいられるはずがないんだよ」と真顔で教えてくれた。

たしかに、重い病気を患っている人は外見というか発するオーラが健康な者とは違う。見るからに具合が悪そうだし、肌艶や血色もよくない——そのくらい、病気による影響というのは顕著かつ甚大なのだ。

 

そう考えると、たしかにわたしは健康そのものである。見るからに元気だし肌艶もいい。なにより、体が疲れるとか重怠いといった症状は皆無で、毎日を生き生きと過ごしているではないか。

それでも・・・だ。この下腹部の盛り上がりは筋肉だと言われようが、反り腰のせいで骨盤が前傾しているからだと指摘されようが、自分自身が抱く病気への不安や恐怖というのは、そう簡単には払拭できない。

しかも、驚くべきことに一日1,400キロカロリー前後の食事しかとっていないというのに、なぜか体重が増えているのだ。昨日など、前日と比べて900グラムも増えていたし、今日は前日より300グラム減っていたが、それでも一昨日と比べると600グラム増えているわけで——。

 

そんな発狂寸前のわたしは、とある茶色の大きな瓶を見つめていた。もう、これに頼るしかない・・と、すがる思いでパケ買いした商品——その名も「強力わかもと」。

英語表記「STRONG WAKAMOTO」という、いかにも強そうなこの胃腸薬は、とにかくネットでの評判がいい。何がどう「いい」のかはよく分からなかったが、とにかくユーザーの満足度が高いこととリピーター数が多いことから、とりあえず試してみようと思ったのだ。

 

しかしながら、どうやらわたしは「意味をはき違えていた」ということを、後になって知った。そもそも、胃もたれや食欲不振など微塵も感じないくせに、なぜ胃腸薬を購入したのか——それは、効能・効果の欄に「食べ過ぎ」という文字があったからだ。

食べ過ぎを抑える効果がある上に整腸作用もあるとなれば、これを試さない理由はない——そう思ってすぐさまクリックしたわけだが、この「食べ過ぎ」というのは、食べ過ぎた後の膨満感や消化促進を助ける・・という意味だった模様。

 

食べても食べても満たされることのない我が胃袋。その理由は、まるで馬のエサのような「大量の丸ごと野菜」しか食べていないからだ。

おまけに、人間離れした強大な咬筋により奥歯を真っ二つに割ってしまったため、常に歯を警戒しながらゆっくり静かに咀嚼しなければならず、「食べるということが、こんなにもつまらない儀式だとは・・」と、食事への期待や憧れを失念するほど無機質な咀嚼タイムを強いられていた。

 

そんなわたしができることといえば、「せめて量を多く食べること」くらい。そのため、ヨーグルトを食べる際には冷凍カリフラワーライスと混ぜて嵩(かさ)増しをしたり、カレーのルーに加熱したシナシナの千切りキャベツを混ぜて量を倍増したりと、ダイエットのルールである「一日1,300キロカロリー」を守りつつ満腹を追究するべく、わたしは”嵩増しの魔術師”として暗躍していた。

だが、もしも食欲を抑えることができるならば、こんちんけな努力は不要となる。ならば薬のチカラを借りてでも——というわけで、「強力わかもと」にたどり着いたのだ。

 

無論、整腸作用も「強力わかもと」を選んだ大きなポイントである。下腹部が飛び出るイコール腸内に大量の便が詰まっている可能性があるため、いずれにせよ効果があるのでは・・ということでチョイスした次第。

しかしながら、これ以上の消化吸収を促進されたところで、ダイエット中のわたしにとってはむしろ逆効果なのでは——。

 

 

「強力わかもと」の茶瓶には1000粒の錠剤が入っている。そして、一回9粒も服用しなければならないので、せめて一粒ずつ飲むことで満腹感を得られれば御の字・・などという、涙ぐましい努力を続けるわたし。

残すところあと9991粒——。この瓶が空になる頃、果たしてわたしの下腹部に変化は現れているのだろうか。

 

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