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どうにかしたくても、どうしようもない場面というのは存在する。たとえば、コンビニで弁当を買って公園で食べようとしたとき、箸が付いていなかったらどうしようもない。まさか公園に生えている木で箸を作るわけにもいかないし、いや、最悪それでもいいが、そんな手ごろな枝が手に入るとも限らない。素手でつまんで食べてもいいが、手を洗う水道がなければお後がよろしくない。

よって、弁当のフタを加工してなんとかすくえる形状にするくらいしか、その場でやれることはない。だがこの「即席スプーン」があるかないかでも、結果は随分と違ってくる。もしも30分後に仕事や練習の予定があり、その弁当を持ち歩くことができない場合、何がなんでも食べ切らなければならない。なぜなら「腹が減っては戦はできぬ」、箸がないからと弁当を食わないような愚か者は、いざという時に死ぬからだ。

 

まぁコンビニ弁当ごときで熱くなることもないが、もっと重要な場面で「必殺技」を求められたとき、ぜひとも活用してもらいたい対処法を編み出した。

生きづらい現代を生き抜いてもらうためにも、この際、出し惜しみせずに披露しよう。

 

 

今現在、最も忘れてはならない持ち物といえば何か。財布?スマホ?いいや、マスクだろう。というか、忘れるもなにも家を出る際にマスクをつけた状態で出発するので、忘れようもない。

わたしはマスクをせずに外出することがたまにあるが、その場合はネックウォーマーで口元を覆い、外観上はマスクをしているかのように見せているのでバレない。

 

都内ですれ違う人は、百パーセント全員マスクを着用している。ここまで見事にルールに従える日本人は、マスゲーム並みに素晴らしい協調性を身につけている。さらに見るからに反骨精神あふれる若者でも、その尖った見た目によらずキチンとマスクをしているわけで、逆にほっこりする。

そのため、「百パーセントの足並み」を乱す人間がいると、その反乱分子は処刑される。無言のプレッシャーと鋭い視線、まれに勇気あるマスク警察から警告を突き付けられるなど、まさに公開処刑されるのだ。

とはいえ、喫煙所でアゴマスク状態でタバコを吸う人を見ると、別の意味で本末転倒な気がしてならないが、まぁそこも含めてご愛敬といったところか。

 

そして本日、着用していたわたしの「マスク殿」が急逝された。耳掛けの部分が突然ちぎれたため、マスクとしての機能を失ってしまったのだ。しかも今日に限って替えのマスクもなければ、ネックウォーマーもしていない。

「コンビニで買えばいいじゃないか」

その通りだ。しかし自宅に山ほど未使用マスクがあるのに、わざわざ追加で在庫を抱える必要もない。しかもここから自宅まで距離にして3キロ弱、歩いて帰れなくもないが小雨が降っている。

 

(地下鉄の乗車時間は6分。口元を隠しながら逃げ帰れば、どうにかなるか)

 

そんなソワソワする状況に、いつしか喉が渇いてきた。べつに悪いことをしているわけではないのに、たかが布切れ一枚口に当てていないだけで、こんなにも罪悪感に苛まれるとは。

とりあえず自動販売機でぐんぐんグルトを買うと、ゴクゴク飲み干した。喉の渇きが落ち着くと小腹が減ってきたので、駅ナカのコンビニで蒟蒻畑を買う。わたしなりに周囲へ配慮し、無人レジでそそくさと会計を済ませると、蒟蒻畑に吸い付きながらホームへと向かった。

 

(・・・ん?待てよ)

 

今わたしは蒟蒻畑を吸っている。つまり口には蒟蒻畑の飲み口が刺さっている。もし今日マスクをしていたとしても、蒟蒻畑を吸うときはこのようにマスクを外すだろう。ぐんぐんグルトを飲むときだって、マスクを外してこの状態になるわけで。

――飲み食いし続ければいいのか。

 

大急ぎでコンビニに戻ると、パウチ容器入りのゼリー飲料を片っぱしから買い漁った。ウイダーインゼリー、アロエヨーグルト、アリナミン、ビタミンレモンなどなど。

なぜゼリー飲料かというと、液体の飲み物は顔を上に向けなければ飲めないが、ゼリー飲料ならば顔を動かさなくても吸い上げられるので、悪目立ちしないからだ。

 

こうして最寄り駅までチュウチュウしながらやり過ごすと、その勢いで自宅への帰還に無事成功した。

 

 

仮にマスクを忘れたり、あるいはマスクが壊れたりした際には、ぜひこの方法で公開処刑を免れてもらいたい。

 

サムネイル by 希鳳

 

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