マッチングアプリにて婚活を始めた友人から、「イイ男だけが興味を持ってくれるような、完璧な自己紹介文を書いてほしい」との依頼を受けたわたしは、俄然やる気になった。
いかんせん、すでに登録してある彼女の紹介文は、いかにもAIが作ったかのような内容で1ミリも刺さらない——こんなんじゃ、その辺にいるつまらない女じゃないか。
友人は、じつに真面目でしっかりしているのだが、可愛らしい見た目とは裏腹に笑いのポテンシャル(天然)を秘めているのが魅力。そんなチャームポイントを出さずして、写真だけで寄って来るようなボンクラのために時間を割くのは、無駄以外のなにものでもない。
(よし、マチアプ史上最高の紹介文を書き上げてやろう!)
それにしても、彼女に”いいね”をしてきた男たちのプロフィールを覗いてみると、そのほとんどが「なっていない」ことに驚いた。
まずは写真だ。自撮りするにしても、せめてタイマーを使ってフロントカメラで撮影するとか、少なくとも「鏡越しに自分を写す」など、ナンセンスの極みであることに気づいてほしい。
これがもしも企業の採用面接やオーディションだとして、貴様らは鏡越しに撮った写真を使うのか?・・という話である。そんなもの、見た瞬間に即ゴミ箱行きだ。
あとは、40~50代であるにもかかわらず、どこをどうみても20代にしか見えない肌感や目の輝き——つまり、明らかに加工してある写真を恥じらいもなく使うのはやめてもらいたい。見ているこちらが恥ずかしくなってしまうからだ。
多くの女性から”いいね”をもらいたい気持ちは分かる。だが、貴様らがやりたいことはパートナーを探すことであり、人気者になることではないはず。それなのに、事実と異なる画像を載せて、実際に会った時に詐欺師呼ばわりされる未来を考えたら、今の自分を隠すことなく晒しておくほうが賢明・・というのは言うまでもない。
さらに、「見た目が若いねって、よく言われます!」などと年甲斐もなく自慢しているが、それは自分で言うことではない。オマエの写真を見て、相手の女性が「見た目が若いですね」と思ってくれればそれでいい。
だからといって、シワや肌質を加工するのは虚偽の申告であり詐欺行為にあたる。そんな稚拙な手を使ってまで若作りしたいと思うようなカスは、所詮その程度の人間でしかない・・ということが、写真とプロフィールから垣間見えてしまうわけで。
あとは、自己紹介に使われる「ひな形の使い回し」の多いこと多いこと。どの男も似たような文章で、わたしからするとまったく響かないし興味もそそられない。
勿論、文章を作るのが苦手な者もいるだろうから、ひな形に当てはめて作成するのは悪いことではない。だが、おそらくAIに作らせたであろう文章は、読めばすぐにバレる。なぜなら、まったく面白くないからだ。
とはいえ、素人が必死に自己アピールをしたり、「こういう相手を求めています」という条件ばかりを並べすぎたり、はたまたマチアプコンサルの指導を受けたであろう書き方だったりすると、それはそれで萎えるし違和感しかない。
「自分」という商品を売るために、そしてその商品を返品されないためには、どう表現するのがいいのか——。
たとえば、読み手が不快にならない内容かつ文の調子が一定であること(敬語とタメ口が混じっていたり、言葉遣いや表現が稚拙だったり、やたらと絵文字を使っていたりすると、バカな印象しか受けない)など、自分が選ぶ側に回ればおのずと見えてくるポイントがいくつかあるはず。
また、自分を売るのに他人すなわちコンサルやAIの力を借りて、提案をそのまま使うような者も論外である。
言っちゃなんだが、コンサルのやり口など文章を読めば一発でバレる。無論、「それはURABEだから分かるだけでしょ?」と言われればそうかもしれないが、とはいえわたしレベルにバレるということは、そこで篩(ふるい)にかけることができるという一つの目安になる。
・・そう、そんな他力な男は、実際に会ったところでその程度の能力(魅力)しかないのだ。
というわけで、婚活アプリに登録している男性陣を漁り、散々文句を言ってスッキリした後、わたしは友人の自己紹介を作り始めた。ここはライターのプライドに賭けても、完璧な文章を作り上げなければならない——。
そこでわたしは、いくつかのトラップを仕掛けてみた。
まず、この紹介文を読みこなせないような読解力の男は要らないので、程よい硬さを維持した文章かつ読み疲れしない程度の文字数にて構成。だが、「お堅いオンナ」と思われては友人の良さが失われてしまうので、文末にちょいちょいオチを入れる形でバランスを維持。さらに、「仕事ができる高嶺の花→じつはドジな一面も→だが、純粋にパートナーを求める真っ直ぐな女性」という流れで着地するべく、最後はハートを鷲掴みするような人間味あふれる呼びかけで締めくくる——よし、完璧である。
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さぁ、これで友人の婚活もサクサク進むに違いない。とにもかくにも、彼女の自己紹介文は日本一である・・ということだけは、手前味噌ではあるが胸を張って自慢できるのである。










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