ニンゲンというのは、とてもじゃないが「長い進化を経て、偶然かつ自然に誕生した」とは思えないほど、緻密で奇跡的なバランス構成であるにもかかわらず、「わりと単純なんだな」と感じる部分があるから面白い。
たとえば脳は、聞こえてくる言葉によって左右される性質があるため、寝不足の朝に「あー、よく寝た!」と嘘でも口にすることで、あたかも熟睡したかのような勘違いを起こす。これはいわゆる「プライミング効果」というやつだが・・あまりに単純すぎやしないか?
その逆に、ネガティブな発言ばかりを口にしたり耳にしたりすると、脳はそう信じてしまうのでやめた方がいい。とはいえ、ネガティブな発言に対して自分なりの答えや考えを示せるならば、それはそれで自己解決につながるので悪影響は少ないはず。
要するに、「ネガティブな発言を受け入れてしまうこと」が問題なのだ。
発言の意図や真偽のほどは分からないが、「そうなのかな・・」とか「嫌だな・・」などと気持ちが揺らぐと、単純な脳はそのように認知してしまう。だからこそ、自らネガティブな発言をするのは控えるべきだが——そう思っているから口にするわけで——、他人の発言に対しても、その内容へのポジティブな意見や提案を生み出せば、結果として「ポジティブに完結する」ので脳もポジティブな状態になるわけだ。
・・というように、未だに解明されていない未知のブラックボックスたる「脳」だが、心理的効果としては「単純」という位置づけがされており、「複雑なくせに単純」という相反する性質が面白い。
そしてもう一つ、身体的に「正しい位置」や「あるべき位置」についても、意外と簡単に覚えてしまうのがニンゲンなのだ、と思い知らされる出来事があった。
数日前から、反り腰とリブフレア(肋骨が開いている状態)を改善するべく、YouTubeを参考にエクササイズに取り組んでいるわたし。
昔から「尻がデカくて突出していること」を恥ずかしく思っていたが、それをどうやって治せばいいのか分からず、結果として放置したまま今に至る——という、長きにわたる黒歴史があるのだが、まさか今さら「反り腰が改善できる」などとは思ってもおらず、それこそYouTubeというコンテンツ・・すなわち時代の流れに感謝せずにはいられない。
とはいえ、尻が出ているのをどうにかしようとして、反り腰改善エクササイズを始めたわけではない。
1月の終わりから開始したダイエットの原因である「下っ腹の出っ張り」について、友人から「突出している下腹部は筋肉だし、問題はそこではなく『反り腰とリブフレア』にあるのではないか」と指摘されたことで、まさかの新事実にたどり着いたのである。
反り腰は、極度な骨盤の前傾によって起こる。これは身体的特徴というか、無意識にそうなっているので自分では気づきにくいが、姿勢を良くしようとすればするほど骨盤が前傾して反り腰を助長する・・という、まさに無知な素人が陥りがちな罠にハマっていたのだ。
よく「姿勢がいいね」「背中が真っすぐだね」と言われてきたが、あれはすべて嫌味だったのか——(ネガティブ))。
そこでわたしは、意図的に骨盤を後傾させるよう下腹部に意識を向けた。
ところが、やってみると案外難しいもので、無意識に保たれていた骨盤の角度を変えるのは容易ではない。自分では後傾させているつもりが、実際には下腹部を前方へ押し出しているだけだったり、「恥骨をへそに近づけるイメージ」が単に下腹部に力を入れているだけだったり、なかなか”骨盤を後傾させること”は難しかった。
だが、「骨盤」という一枚のプレートを意識して、その板で水をすくうイメージを描いたところ・・想像以上にスムーズに後傾させることができたのだ——あぁ、これがあるべき骨盤の角度なのか!
一度コツをつかむと早いもので、その後は少しの意識で骨盤の角度を保つことが可能となった。そして数日経った今日、ふと気づくと無意識に骨盤が正常な角度(前傾しすぎない角度)に収まっていることに気がついた。
(たった三日で、ニンゲンは変わるものなんだな・・)
これはおそらく、本来あるべき位置や角度に「戻した」からこそ、短期間で改善されたのだ。よって、180度の開脚ができるようになるとか、体前屈で胸と太ももがベッタリつくようになる・・というのとは意味合いが異なる。
それでも、骨盤のイメージと意識によってヒトはここまで変わるものなのか、という驚きは隠せないし、言うまでもなく下っ腹は引っ込んだ。こうなると、今までの大騒ぎはいったい何だったんだ・・と突っ込みたくなるほど、内臓脂肪だの腫瘍肥大だの「架空の病気説」で狼狽していた自分が恥ずかしいではないか。
とにもかくにも、ニンゲンというのは不思議な生物であり、科学的に証明できない奇跡の結晶であるにもかかわらず、意外と単純で正直な一面もあるわけだ。
(さてと・・今日も骨盤の後傾を頑張るぞ)




















コメントを残す