外国人を雇用したら、必須の届出

 

一般的にあまり知られていない”労働者に関する届出”の一つに、「外国人雇用状況の届出」というものがある。これは、外国人労働者を雇用した事業主が所定のひな形または電子申請により、入社・離職年月日や在留カード情報などを国へ報告するものだ。

 

この届出により、不法就労の早期発見および防止を図ったり、外国人労働者の雇用動向や推移を集計・分析したりするのだが、裏では出入国在留管理庁(入管)とガッチリタッグが組まれているため、むしろ入管のほうが助かっているのではないか・・と邪推してみたり。

その理由は、外国人労働者を雇用するためには「とある条件」が必要となるからだ。

 

そもそも外国人が日本で働く際、まずは「就労資格があるかどうか」で入り口が決まる。

よくある”就労が認められていない(日本で働いて報酬を得ることができない)在留資格”といえば、留学と家族滞在だが、この二つについては「資格外活動許可」を受ければ週28時間以内のアルバイトが認められるため、多くの者は在留カードの裏面に資格外活動許可の印字がされている。

だが、短期滞在や研修、文化活動といった在留資格には資格外活動許可は下りないため、いかなる理由があっても働かせることはできない。

 

このような就労事情からも、就労資格がある者でなければ雇用することはできないのだが、中には「こっそりアルバイトで小銭稼ぎを・・」と考える外国人がいないとも限らない。

これは逆の立場にも言えることで、人手不足の企業にとって働き手は喉から手が出るほど貴重な存在であり、それが日本人であろうが外国人であろうが、最低限の働きをしてくれるのならば大歓迎である。

そんなことからも、就労資格のない外国人に働いてもらう・・というような不法就労を防ぐためにも、外国人を雇用したら必ず届出をするよう義務付けられているのだ。

 

ちなみに、就労資格を持つ外国人が就職(転職)や離職をした際には、14日以内に入管へ「所属機関に関する届出」を自ら行う義務があるのだが、これを怠ると更新申請時に不許可となったり、在留期限が1年しかもらえなかったり(通常は3年から5年)といった、不利益な扱いを受ける可能性がある。そして実際に、そのようなケースが頻発している模様。

さらに、永住許可を得るためには「公的義務(公的保険料の納付や法で定める届出等の義務)を適正に履行していること」という条件が定められており、これを怠ると永住申請は不許可となるので、外国人自身も各種届出には十分気を付けなければならないのである。

 

そんなわけで、外国人にとって自らの就労状況を国へ報告するのは義務ではあるが、何らかの事情でアルバイトを秘密にしたい場合もあるだろう。この場合、本人申請のみでは確認ができないことからも、雇用主による届出すなわち「外国人雇用状況届」の制度により、双方の申告にてクロスチェックを行うわけだ。

このやり方自体は素晴らしいし、適正な制度運用のためには二重三重に網を張り、法の抜け穴を塞ぐことが重要——であれば、電子申請への切り替えの際に書類を郵送するのではなく、そこも電子化してはもらえないだろうか。

 

じつはこの制度、過去に一度でも外国人を雇用した場合かつ紙の申請(雇用保険被保険者資格取得を含む)を行った場合、外国人雇用状況届の電子申請はできない。よって、書類を郵送することで届出を行うこととなる。

ではどうすれば電子申請に切り替えられるのかというと、「電子申請への切替申請書」をハローワークへ提出することで、電子申請が可能となるのだ。いやいや、電子申請に切り替える時も、電子対応してよ・・・。

 

なお、外国人雇用状況届を初めて電子申請する場合であっても、過去に雇用保険の取得を紙で行っていたるすると、それはもうすでに「一度紙で申請している」とみなされるため、改めて電子申請切替申請書を提出しなければならない。

そのため、最初から関与していない会社だったりすると、往々にして切替申請が必要なため、コンビニで様式をプリントアウトしてはポストへ投函・・という、金銭的かつ物理的な作業が発生するのである。

 

——あぁ、フル電子対応が可能となる日はいつ訪れるのだろうか。

 

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