およそ8年前の出来事だが、北海道猟友会・砂川支部長の男性が自治体からの要請でヒグマの駆除に向かい、発見したヒグマの子どもをライフル銃(一発)で仕留めたところ、北海道公安委員会から「(鳥獣保護管理法が禁じる)弾丸が到達する恐れのある建物に向けた発砲」に当たるとして、猟銃所持許可を取り消される事件があった。
一審は「猟銃所持許可の取消し処分は違法」としたが、二審はこれを覆し「現場は、岩などに当たって軌道が変わる『跳弾』が起こりやすい場所であり、『周辺の建物に弾丸が到達する恐れがあった』ことから、猟銃所持許可の取り消しは適法」とした。
・・まぁ、この時点で多くの者が「え?」となったわけだが、つい先日、最高裁は全員一致で「取り消し処分は違法」であると判断した。
よくドラマや映画で、公安委員会や検察庁の人間が職務に厳格であるがゆえに、現場(現実)とのズレが生じて悪者扱いされる設定のストーリーがあるが、まさにアレだろう。
そもそも「本来ダメなものを特別に許可してやってるんだから、どんな事情であれルールは守ってもらわないとねぇ」という、最初から上から目線のスタンスなので、こちらにミスや不手際があれば一発でアウトとなるのは当然のこと。
だからこそ、銃を所持したいならば、「お上に歯向かうことなく」「目立たぬよう」「地道に正しく」生きていかなければならないのである。
なお、今回は実際に発砲したことによるトラブルだが、ただ単に「銃を所持するだけ」でも一苦労・・というのは、銃所持者ならば誰もが感じているストレスだろう。
過去には、狩猟のみならず射撃の練習や大会に向かう途中で、車内に銃を入れたままコンビニ等へ立ち寄ったところ、待ち構えていた警察官に捕まり所持許可を取り消された事例がある。
理由としては「銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)で定められた保管義務に違反する(目的外所持および管理不十分)から」なのだが、現実的に考えればちょっと厳しすぎやしないか——。
まぁたしかに、コンビニへの立ち寄りが原因で車が盗難に遭い、車内に置いていた散弾銃も奪われた・・というような、二次被害による事件を防ぐためには必要かつ徹底すべきルールではあるが、だからといって(ケースに入れた)”マイ銃”や銃弾を抱えて店内を物色したり、トイレを使用したりするのが「正しいこと」だとも思えない。
こんな感じで、銃を所持するには公安委員会サマ・・すなわち「お国の許可」が必要なわけで、厳格な正義の象徴である彼らは、愚民たる銃所持者の不手際を「今か今か」と手ぐすねを引いて待っているのである。
かくいうわたしも、近隣住人へ聞き取り調査をされたことが原因で、マンションを追い出されそうになった過去がある。
だいたい、建物が同じというだけで顔も名前も知らない住人に対して、「〇〇さん、なにかトラブルを起こしたことはありませんか?」とか「銃を所持している人が住んでいるのですが、問題ありませんか?」などと、突然押しかけてきて尋ねることのほうが非常識だろう。
そのような聞き取り調査のせいで、「わたし」という人間の存在が赤の他人に知られる上に、銃を所持していることまでわざわざ伝える結果となるのだが、本当にそのような必要性があるのだろうか。
それこそ、銃を所持していることを知った住人が我が家に押し入り、もみ合になった挙句に殺傷事件にでもなれば、きっかけを作ったのは警察であり公安ということにならないのだろうか。
しかしながら、この辺りも「聞き取り調査は、法令で定められたルールなので」の一言で片づけられるのだから、まったく、お上には逆らえないのである。
ちなみに、冒頭で触れた北海道猟友会の事件について、砂川市からの要請に基づいて行われた駆除活動だったわけだが、当日は市の職員や警察官が同行し、さらも警察による近隣住民の避難誘導まで行われていたにもかかわらず、「危険な発砲だった」というのはさすがに無理があるだろう。
だったら、発砲までの一部始終を容認した警察官にも責任はあるし、なにより「住民の安全を守るための捕獲活動」というものは、今後、実現不可能となる。いかんせん、山奥ではなく街中にヒグマが出没している現状での駆除依頼なのだから、必要最低限のバックストップ(土手)が確保できた上での発砲ならば、適法性というか相当であることを認めるのが「正しい判断」といえる。
それを、後出しじゃんけんのような通報を頼りに、重箱の隅をつつくような正論——いや、現場を無視した「歪んだ正しさ」を主張するのが正義だとしたら、もはやこの国は終わりである。
だが、最後の最後で「社会通念上著しく妥当を欠く」と結論付けた最高裁・・というか日本の司法は、まだまだ捨てたもんじゃない。
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(そういえば、もうそろそろ銃検査の時期だなぁ)
かくいうわたしも散弾銃の所持者であり、ライフル銃の申請ができる所持歴であることを思い出すきっかけにもなる、クマ駆除ハンター逆転勝訴の判決だったのである。











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