12月31日土曜日

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気づけば今日は12月31日、そして土曜日である。

月末であると同時に年末であり、さらに週末でもあるのだ。

こんなトリプル「末」の夜中、色々と終わらせることができずに手こずっているわたしがいる。

 

仕事というのは365日用意されているため、別に今日に限った話ではない。

だが、「月末までに」とか「年末までに」とか、さらには「週末までに」という余計なオーダーがついた途端に、ものすごく苦しい取り組みに変身する。

 

たとえば自分一人で完結する作業ならばまだいい。趣味や食事の時間、睡眠を削ればどうにかなるからだ。

しかし相手からの返信や確認が必要な場合、わたしと相手との共同作業となるため、思ったようには捗らないことがほとんどである。

 

そして今、10件ほどの仕事がすべて途中で放置されている。もちろん、相手からの指示待ち状態だ。

一刻を争うほどの重要な案件ではないにせよ、わたしの時間というのは完全に奪われているわけで、身動きが取れない。

 

地蔵のように固まっていても仕方がないので、待つ間に別の作業に着手することにした。だが区切りのいいところまでたどり着く前に、待っていた相手からの返事が届いてしまったのだ。

――この時点で、頭を一度リセットしなければならない。

 

(ダメだ、区切りのいいところまで進めよう・・・)

 

目の前の作業をある程度のところまで押し上げたら、返事のあった案件に戻ろう。でなければ中途半端にゴチャついてしまう――。

そう決めたわたしは、黙々と作業を進めた。

すると、待ってました!と喜びたいような、それでいて今は見たくないような、待ちくたびれた相手からのLINE通知が目に入る。

あぁ、二時間前の質問の答えだ――。

 

メッセージを開かずに、画面に表示される内容に目を通したところ、わたしの質問に対して、さらに質問が送られていることに気付く。

(あぁ、これは早めに返しておかなければ、さらに遅くなるパターンか・・・)

やむなく、現在進行中の作業を中断し、新たな質問に対するわたしの考えを送信した。

 

ふと見ると、LINEの未読が24件溜まっている。母親以外はすべて仕事の内容だ。

 

これを開くには勇気がいる。とくにLINEは、一度開くと二度と未読に戻せないため、開けたが最後、その場でその案件に着手しなければならない。

しかし、もしもこのLINEで完結していない場合、追加で質問をしなければならない。だが、もしも完結していたら後回しにできる。どうしようか――。

 

今日は大晦日であり月末。さらに週末でもあるので、自営業やフリーランスでない限り、もはや連絡はつかないだろう。

今日中にどうにかしなければならない仕事が10件もあるのに、そして、恐ろしくて開くことのできないLINEが24件も届いているのに、それなのに、無情にも時間は刻一刻と過ぎていくのである。

 

・・・いや、ちょっと待てよ。いまこの瞬間、つまりこのブログを書いている時間について、これは一体どういうつもりなのだろうか?

 

こんなくだらない実況中継をするくらいなら、その時間を仕事に費やせばいいじゃないか。未読のLINEを一つずつ開いて、コツコツと進めればいいじゃないか。

時間は平等に与えられている代わりに、待つことも急ぐこともしない。

それなのになぜ、あえて無駄な時間に手を出しているのか。この矛盾に対する、道理にかなった理由を述べてみよ!!!

 

・・・笑止!そんなものは至極簡単、そして単純明快。漢字四文字で端的に、的確に言い表すことができる。

もはや大方の予想通りだが、そう、これこそが「理由」である!

 

現・実・逃・避

 

 

月末であり年末であり、週末でもある記念すべき本日。残すはあと20時間で強制終了となる。

そして迎える明日は月初であり年始であり、週初めとなる。

 

・・・ただそれだけのことである。

 

Illustrated by 希鳳

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