日曜日の朝、珍しく早起きした私

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わたしは今日、珍しく朝早く起きた。なんせ、普段ならば今から寝るであろう時間に起きたのだ。

もちろん、起床時刻に合わせて寝たわけだが、今日一日を有効に使うためにも、朝早く起きることを選択したのである。

 

ではなぜ日頃から、まともな社会人としての起床時刻に起きようとしないのか・・というと、一つはこのブログにある。およそ3年9カ月、絶やすことなく毎日投稿し続けてきたが、わたしの小さなポリシーとして「寝る前に投稿する」という決め事があった。

これは、翌朝目が覚めなかったとしても・・正確には「翌朝、目が見えなくなっていても」後悔しないよう、寝る前に最後のコラムを書いておこうと思ったからだ。

 

しかし、このルーティンを実行するには「ネタありき」となる。ネタというほどでもないが、コラムの内容を思いついてから下書き・推敲を繰り返し、タイトルとサムネイルを充てて投稿するまでに、平均3時間はかかる。

書き始めればそれほど時間はかからないが、やはり何より「最初の一文字を打つこと」が重く大きな一歩となる。そのためにも、書く内容が決まらないと永遠に文字は表示されないわけで、日々この壁を乗り越えるべく格闘しているのである。

 

継続してある程度のボリュームのコラムを発信し続けることは、いわばトレーニングであり習慣にもなる。

最初の頃は、それこそネタがない不安に追い込まれて、21時間悩み続けたこともある。だがこればかりは、考えたところで思い浮かばなければどうしようもない。そのため、いつからか「適当な事象について、適当に膨らませてみよう」と思うようになったのだ。

 

たまに友人から「毎日、よく面白いことばかり書けるね」と言われるが、わたしにとって「面白い」と感じるのは、もしかすると半分くらいかもしれない。その他は苦し紛れに組み上げた、吹けば飛ぶような不安定な作品ばかりである。

とはいえ自分にとっては面白いが、他人にも同様に感じてもらえるかどうかは分からないし、その逆も然り。なんせ、一人リレーで明日へとバトンを繋いでいるので、手抜きではなくとも完璧な自信作だけを投稿する実力もないわけで。

 

そういえば、このブログに関してではないが、以前こんなことを言われた。

「ここ最近のURABEの文章に違和感を覚える。変な執筆スクールや、書き方入門のような本を参考にして、自分のスタイルを変えたと確信している」

これには開いた口が塞がらなかった。他人に縛られることが嫌いで、己の思うがままに生きてきたわたしが、「誰かの真似事をする」だなんて、少なくともわたしを知っている人間からすれば、正気の沙汰とは思えない。

例えるならば、食べることに生き甲斐を感じるわたしが、食事の内容や食べ方を他人に指示されて直す・・なんてこと、あるはずもないわけで。

 

とはいえ、どこをどうすれば「執筆スクール」なんていう突飛な考えが浮かぶのか、むしろ理解に苦しんだ。だが少なくとも、そのヒトはそう感じたのだから、わたしがどれほど否定しようが"聞く耳持たず"だろう。

ではなぜ、そんな歪んだ感想を持たれたのか・・と考えたわたしは、「このコラムに原因があるのではないか」と思った。なんせ毎日、二千字前後の文章を書いているわけで、どこか「慣れ」のような癖が身につくのは当然のこと。

それが良い悪いは別として、毎日同じことを繰り返していれば、ある程度は無意識にでもまとめ上げることができるようになる。その癖のようなものが、ブログ以外の記事にも現れてしまったのではなかろうか。

 

また、このブログにおける内容の真偽や倫理観に関する責任は、すべてわたしにあるため何でもストレートに綴ることができる。しかし、別メディアに載る記事に関しては、読者からすればそのメディアへの印象でしかなく、あまりに過激で尖った内容・表現についての責任を、わたし自身で負いきれない引け目があるのだ。

もしかすると、そんな部分が"いい子ちゃん"に写った結果、「変な執筆スクール」や「書き方入門的な本」を参考にして自分のスタイルを変えた・・という発想に至ったのかもしれないが、いずれにせよ、わたしがそういった類のものに手を出すことはないので、とんだ濡れ衣であることに変わりはないのだが。

 

話が逸れたが、そんなこんなで毎日「ブログは寝る前に投稿する」を遂行してきたわたしにとって、"朝早く起きて書く"という行為は恐怖でしかなかった。なんせ、もしもネタが思いつかなかった場合、気付けば昼になりあっという間に夜となる。つまり、毎日投稿の記録をストップさせることになるからだ。

それでも、ふと考えてみた。

(今の時点でネタが思いつかず、もしも書き始めが朝になったとしたら、そこまで寝ていても同じではないか・・?)

確かにその通りだ。必死にウンウン頭をひねっても、結局、キーボードに触れることができなければ同じ。であれば、いっそのこと寝てしまったほうが、ブログを投稿した後を有効に使えるのではなかろうか。

 

とはいえ、朝から予定が入っている時には採用できないワザである。もしも書き終わらなかった場合、ブログの投稿が遅れるか約束の時間に遅刻するか・・の二択となるわけで、いずれも受け入れがたい究極の選択となるからだ。

しかしながら今日は午前に余裕があるため、こうして早朝からせっせと指を動かしているのである。

 

(とりあえず、これが終わったらスタバでコーヒーを飲むとしよう)

あぁ、なんと有意義で洒落た日曜の朝だろうか。今日ばかりは、ネタが思いつかなかったことに感謝するのであった。

 

Illustrated by 希鳳

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