女風呂観察記

 

わたし自身、温泉や銭湯といった大浴場に慣れているため、他人に裸を見られても恥ずかしさを感じることはない。しかも、滅多に拝めない他人の裸体観察や全裸における行動を調査するいい機会でもあるので、みんなから少し離れた場所——主に水風呂へ浸かりながら、体温の限界ギリギリまで裸を観察するのが大浴場での習慣となっている。

だが、風呂だからとはいえ見ず知らずの人前で裸体を披露する・・そんな習慣のない文化圏の者からすれば、当然ながら恥ずかしいと感じるもの。殊に欧米人は、大勢の前で裸を晒すことに躊躇する傾向にある。

それでも、そんな恥を忍んででも湯船につかりたいと思ってしまうのが、遺伝子に刻み込まれた「温泉の魔力」というものなのだろう。

 

そんなわけで、たまたま訪れた温泉宿にて裸体ウォッチングに勤しんでいたわたしは、日本人と韓国人の骨格の違いについていくつかの発見をした。

無論、たまたまそういう女性——たとえば、趣味で〇〇をやっているとか仕事柄そうなるとか、なんらかの同一カテゴリーに属する者が集って日本へやってきただけかもしれないので、さすがに断定はできない。それでも、相対的に見て「韓国人女性は足が長い」という現実をこの目で見たのである。

むしろ、下半身を見ただけでも判断できるくらい、そもそも足の骨が圧倒的に長いのだ。そんな長い足をさかのぼると、そこにはやや窪んだ小さな尻がついており、さらに上へいくと豊満な脂肪を纏った上半身へと繋がっている——皆さん、年齢的にもそこまで若くはないので、腹部に脂肪を巻いているのは致し方ないことではあるが。

 

それに比べて日本人は、確実に足が短い。いや、足が短いというより胴が長いといったほうがしっくりくる。韓国人女性らは皆、足も長いが腰骨より上が妙に短く感じられるのだ——どことなくハンプティダンプティを彷彿とさせるような。

対する日本人は、胴体と足の長さが同じで手もそこまで長くなく、上半身も下半身も肉付きがいいのが特徴。むしろ、若い女性に限っては下半身のほうがむっちりしており、どちらかのデブという二択で分けるなら、明らかに下半身デブが多い。

となると、韓国人女性らは揃いに揃って上半身デブである。細長い手足からは想像もつかないほどのふくよかな胴回り(某巨人の漫画が脳裏を過ぎるフォルム)を持っているわけで。

 

——などと人間観察に没頭するあまり、長時間水風呂に浸かりすぎたことによる体温低下に耐えられなくなったわたしは、温かい湯で満たされた浴槽へいそいそと移動した。

そんなわたしとほぼ同じタイミングで、入り口から花柄のワンピースを着た女性が入って来た。しかも、裾をまくりあげて胸のあたりで縛っており、下半身丸出しの状態で堂々と歩いてくるではないか。

(足が細長い・・韓国人だ)

 

その女性は一目散にシャワーへと近づき、シャワーのボタン(レバーを捻るタイプではなく、丸いボタンを押すことで10秒ほど湯が出る節約タイプ)を、回したり撫でたり足で蹴ったりしつつ、なぜか湯が出てこないシャワーヘッドを睨みつけていた。

だがある時「強く押せばいいんだ」ということを知り、無事に湯を得ることに成功した彼女は、次の瞬間・・シャンプーが置いてある台を左足で踏みつけると、豪快に股を洗い始めたのだ!!

 

視線の先には、まくりあげたワンピースから覗く背中と尻が丸見えなのだが、さらに高く上げた足の間から・・いや、股の間から彼女の左手が前後に消えたり現れたりする様子が、嫌でも目に入る画角にわたしは座っていた。

そして、しばらく股を洗う様子を見せつけられた後に、当該女性は何食わぬ顔で脱衣所へと戻っていった。もちろん、下半身丸出しの状態かつタオルで拭くこともなく、なんならそのままドライヤーへと向かっていったのだ。

(そうか、恥ずかしくはない・・ということか)

 

感じ方というのは人それぞれだし、「〇〇人だから」という区別は必ずしも当てはまらない上に、文化や習慣の違いを自身のちっぽけな常識に当てはめるのは、明らかに愚かな行為である。

だが、あれだけ堂々と足を上げてゴシゴシ股を洗えるのは、肝っ玉の小さい日本人では難しいように思う。そしてなぜ、下半身を露出したまま大きな鏡の前で髪の毛を乾かせるのだろうか——。

 

まるで映画のワンシーンのような衝撃的な光景が、わたしの脳裏に焼き付いて離れないのである。