牙を抜かれた足立区、これすなわち日本の危機である。

 

(これはマズい。東京の・・いや、日本のピンチといっても過言ではない、忌々しき事態だ)

友人から送られてきた某テレビ番組の切り抜き動画を見ながら、わたしは思わず唸った。こんな茶番じみた再開発、日本を弱体化させるための罠でしかない——。

 

日本を代表する都市といえば東京だが、東京の要(かなめ)というか中心を固めているのが23区。そして、各区にはそれぞれの役割や”あるべき姿”というものがあり、独自の色を大切に守りながら今日までやって来た。

にもかかわらず、ここ最近はどこもかしこも駅前再開発にかこつけて、スタイリッシュなビルを建てたりオシャレなカフェをオープンさせたりするので、目隠しで駅を降りればそこが何区なのか分からないほど、似たり寄ったりの景観となってしまった。

 

まぁこれが、我らが港区に加えてお隣の渋谷区や目黒区といった、ファッショナブルでプライドの高い成り金BBAが住む地域ならば問題ない。なぜなら、有事の際には我先に逃げ出すような役立たずしか揃っていないからだ。

ちなみに、現代の戦争は武力攻撃ではなくサイバー戦だと言われているが、とはいえ他国の人間が攻め入ってきた際に何ら抵抗することなく受け入れる・・なんてことはあり得ない。

そして、それらの非常事態に対して自衛隊任せというのは、数的にも不足であり無責任でもある。では、どこの区民が漢気を見せて立ち上がるのかといえば、言うまでもなく足立区である。

 

足立区は、押しも押されぬ「23区最恐」の称号を与えられた町であり、破壊や武力行使に長けた「戦闘部隊が待機するエリア」として有名。

街中には、いわゆる輩(やから)がたむろしていたり、夜中になると暴走族が快音を轟かせたりと、古き良き昭和の匂いをプンプン振りまく由緒正しい実力のある特区である。

 

そんな足立区を代表する場所、言い換えれば”輩の聖地”にあたるのが竹の塚だ。

足立区竹の塚(「竹ノ塚」という表記を目にするが、あれは駅名の場合であり正しくはひらがなの「の」)といえば、泣く子も黙るヤンキーのメッカ。地元民以外は、下を向いて歩かなければ絡まれたあげくにカツアゲの洗礼を受けるという、いまどき珍しい世紀末な地域だが、そんな竹の塚がまさかの駅前再開発に着手しているというではないか。

 

友人から送られてきた切り抜き動画では、洗練されたデザインの竹ノ塚駅(東武鉄道)が登場したり、青山と目黒に店を構える上品なカフェが竹の塚店を出店したりと、我々が誇る「最恐最悪のイメージ」はどこにもなかった。

おまけに、10年後には大型商業施設が誕生するらしく、そんなものを設置するなど竹の塚の・・いや、足立区の誇りを奪うような愚行でしかない。

 

頭でっかちのもやしっ子しかいない現在の日本において、唯一無二の武闘派集団が足立区だというのに、その漢気溢れる魂を破壊するような愚かな行為——そう、駅前再開発というバカげた取り組みにより、無謀にも猛者たちの牙を抜き去った結果、我が国が窮地に追い込まれているという事実を知ったわたしは、言葉を失った。

(あぁ、日本はもう終わりだ・・)

 

足立区竹の塚という「武力の象徴」である地域が覇気を失うことは、日本を狙う諸外国からすれば願ったり叶ったりのラッキーである。

そして、戦力外となった足立区の代わりにどこの荒くれ者が先陣を切るのかといえば、北区?葛飾区?台東区?——いずれの区も、足立区と比べれば明らかに不安を感じるし、残念ながら力量不足が否めない。

 

いかんせん、足立区は信頼できるのだ。なんというか、ヒトを裏切らない人情味のようなものが足立区にはある。

他の区はと言えば、力はあれど新宿区や中央区はあっさりと裏切るし、杉並区や世田谷区は己のことしか考えていないので、他人のために立ち上がることはしない。

このように、トータルで見ても足立区は別格なのだ。だからこそ、東京を守るのは、そして日本を守るのは足立区なのである。

 

それなのに・・あんなオシャレで洗練された駅前に塗り替えられてしまうなんて——この国はもはや終わりである。

そんな現実を突きつけられたわたしは、そっと切り抜き動画を閉じるのであった。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です