どうやら台風は過ぎ去った様子だが、それにしても今回「も」台風の猛威を体感することなく終わってしまった。無論、自然災害ほど不可抗力で恐ろしいものはなく、その被害に遭わなかったのだから、安堵するとともに天へ感謝しなければならないし、被害に遭われた方々には心からお見舞いを申し上げなければならない。
だが、それにしても東京——殊に都心エリアは、台風の影響をあまり受けずに終わることが、あまりに多すぎやしないか・・と、台風のニュースを見聞きするたびに思うのである。
わたしの住む港区・白金という地域が、地形上の理由や特徴があるのか、はたまた前線やシアーラインといった気象における「境い目」のような特殊事情を抱えているのかは分からない。
いや、もしかすると神の加護により奇跡的に台風の影響を受けにくい地域なのかもしれないが、それにしても暴風雨は想定内のレベルであり、テレビやネットで目にする甚大な被害をもたらすほどの暴れ方や降雨量を見たことがないのだ。
それ故に、台風のつど過剰防衛策を打ち出す行政や企業の苦労(心労)を思うと、なんというか気の毒で仕方がない。おそらく「ここまでしなくてもいいだろうけど、万が一なにかあったら責任取らされるしなぁ・・」ということで、やむを得ず過保護すぎる対策を練るのだが、結果として杞憂に終わることが多い。
とはいえ、従業員からすると「台風で仕事が休みになった、ラッキー!!」となるわけで、急遽ディズニーランドへ向かう者がいたりいなかったり——。
しかしながら、ディズニーランドは労働者によって成り立っているわけで、来場者は仕事が休みの日かもしれないが、園内で笑顔を振りまくキャストや厨房で料理を作ったり施設内を掃除したりするスタッフは、言うまでもなく「仕事中」である。
そう考えると、年中無休をポリシーとするディズニーランドの「顧客に対するサービス精神」というのは、”いついかなる時でも、来園者に夢を与える”というスタンスを貫いており、それに呼応するかのように働くキャストやスタッフたちのプロ根性というのも、おそろしく強固なものなのだと感心してしまう。
そんなわけで、今回訪れた台風7・8号について振り返るのだが、恒例行事である「台風名」が発表され、それぞれ「メーカラー(タイ名で雷の天使)」「ヒーゴス(アメリカ名だが、スペイン語でイチジク)」と名付けられた。
ちなみに、これらの由来というか名前の候補について、どのようなルールがあるのかご存知だろうか?
「台風の名前」というのは、北西太平洋または南シナ海で発生する台風に関する各国の政府機関である「台風委員会」により、各国が10個ずつ提案した名前の合計となる140個の名前を、順番に使い回す形で使用している。
そのため「なんで魚の名前なんだ?」とか「なんで女性の名前なんだ?」と、疑問に思うことも多いだろうが、じつは予め用意された名称が繰り返し使われる仕組みのため、次にやってくる台風9号は「バービー(ベトナム北部の山の名前)」という名がつくことが、もうすでに決まっているのである。
なお、この「台風のアジア名」について、我が国日本はどのような名前を提案したのかというと、まったくもって無難というか残念すぎるというか、「星座の名称」を充てている。こいぬ座、へび座、かじき座、こぐま座など、どこの誰から語源を聞かれてもトラブルにならないような、とにかく無難なところを使っているのだ。
対するミクロネシアは、「ソーリック(伝統的な部族長の称号)」「ニバルタック(有名な戦士の名前)」「ソウデル(伝説上の主張の護衛兵)」「ナンマドル(有名な遺跡の名前)」といった、国のプライドをかけた名称を提示している。
だったら日本も「アマテラス(太陽を司る女神)」「スサノオ(神話上の英雄であり破壊神)」「ヤマタノオロチ(日本神話に登場する大蛇)」「ヤタガラス(神聖なる3本足の巨大なカラス)くらいの名前を叩きつけてもらいたい。
星座などという無難かつ揉め事にならないような名称よりも、日本神話の神々の名前を台風に充ててくれたら、それこそ台風への注目度が増す・・というか見る目が変わるのは間違いない。
「昨日のアマテラス、期待したほどじゃなかったよな」
「台風10号、ヤマタノオロチっていうだけあって凄かったな」
なんていう会話が教室内で飛び交うことを想像すると、ちょっと面白い気がするわけで——。










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