デスクワーク・・中でもソフトやアプリを使っての作業中に、もっとも絶望を感じる瞬間といえば「システムのエラー」に遭遇したときだろう。
これは、システム側のエラーのみならず、使い手のITリテラシーの低さによっても同様の絶望を覚えることになるが、いずれにせよシステム弱者が「自力で先へ進めない」という現実は、相当なストレスといえるのだ。
*
(・・まただ)
わたしが使用している社労士ソフトはExcelベースで作られており、言い方は悪いがイマドキっぽいオシャレな感じはしない。
しかしながら、インターネットを通じて全てを管理できる、便利でスマートなクラウドツールには、「ちょっとだけここをいじりたい」といった些細なわがままを聞き入れる余地がないのに対して、Excelベースであれば強制的に保護を解除してからの自力で修正・・という強行突破が可能。
まぁ、そのような状況は滅多に訪れないが、それでも「自力でどうにかなる」という便利さと安心感が、このソフトのウリであり強みといえるだろう。
しかしながらここ最近、ソフト上でとある画面を表示するといつの間にか強制終了させられる・・という忌々しき事態が頻発するようになった。
なんとなく感覚的に「これはソフトの問題ではなく、Excelの問題だろうな」と思いつつも、とりあえずサポートセンターへ相談をしたわたしは、改めて「プロによる遠隔操作のありがたみに」感動するとともに、「システムの仕組みを知っていれば、サポートの手を煩わせることもなかったな」と、己の無知を反省するのであった。
*
遠隔操作により、サポートの手であれこれ試される我がパソコンのモニターを眺めながら、「これは人間でいうところの、診察を受けているようなものだな」と、目の前で起きる不思議な現象に興味津々なわたし。すると奇しくも・・いや、幸いにもいじっている最中にエラーが起きて強制的にソフトが終了させられた。
(やった!!よかった・・)
怪我や病気で医療機関を受診したはずなのに、医師を前にするとなぜか不調が示せない、という経験はないだろうか。アレはとにかく恥ずかしい。まるで自分が嘘をついているかのような焦りを感じ、何が何でも「痛くなってくれ!」とか「異常を示してくれ!」と頑張るのだが、そんな願いも虚しく健康的な数値や状態しか出ない・・というのは、受診アルアルなのかもしれない。
だが今回は、そんな「異常」を目の前で示せたので、まずはそのことに安堵した——よし、嘘つきや大袈裟ではないことが証明されたぞ!!
普段ならば「チッ、また落ちた!」と苛立つ瞬間だが、サポートの前では「どうぞどうぞ、ガンガン落ちてください!」と、むしろ笑顔で異常を歓迎するのだから、ヒトとは奇妙で面白い生き物だ。
そんなわけで、謎の強制終了を経て専門家がたどり着いた答えは——セキュリティソフトの影響でもExcelの不具合でもなく、まさかの「Dropbox(ドロップボックス)」のせいだった。
どうやら、ソフトへ取り込んだcsvデータがドロップボックスで保存していたものだったため、ドロップボックスの同期がかかるたびに、まるで呼応するかのごとくソフト(Excel)に影響を及ぼしていた模様。
今までは「これはおそらく、セキュリティソフトの影響です」と言われ続けてきたが、セキュリティソフトによる場合は、向こう側から「脅威を発見したので、退治しておきました」というメッセージが届くのだ。そして、実際にセキュリティソフトが誤検知したことで強制終了させられるパターンもあったが、大部分がそうではないことをわたしは知っていた。
そんなこんなで蓋を開けてみれば、セキュリティソフトの余計なお世話ではなく、「クラウドストレージの頻繁な同期」に反応していたのだ。
これはまさかの驚きであると同時に、「なら仕方ないか・・」と納得せざるを得ない状況であり、妙に腑に落ちる結果となった。
これがもしもソフト側の落ち度やシステムの問題であれば、烈火のごとく怒り散らしたであろう。なんせ、そのせいで数時間を無駄にしたのだから、どれほど謝罪されても取り戻すことはできないわけで——。
しかしながら、わたしが使用しているクラウドストレージ(ドロップボックス)から引っ張り出したデータが原因で、Excel仕様のソフトに影響が出ているとなれば、ソフトが落ちる原因の半分はわたしの責任でもある。
(今度からは、一度デスクトップへ置いてから使うようにしよう・・)
*
システムエンジニア職の者ならば、関数やマクロで操作を自動化しているようなツールが、ドロップボックスなどクラウドストレージの同期の影響を受ける・・ということは、常識として当たり前に理解しているのかもしれない。
だが、わたしのようなITリテラシーの低い者からすると、この組み合わせでソフトが落ちることなど想像だにしないわけで、そのせいで「無駄に悩んだあげく、解決できないストレスにイライラさせられる」という、不毛かつ不健康な時間を費やしてしまったのだ。
やはり何事も、知らないより知っているほうがいい。とくに、自分が使っているソフトやツールの仕組みくらいは、知っておくべきだろう——改めて、そう痛感するのであった。
(以上は、早朝から4時間以上を無駄にした愚者が得た教訓である)











コメントを残す